帝国データバンクによると、2018年に国内で休業、倒産した飲食店数が1180件と過去最多となったようです。
一方で、宅配デリバリー市場は年々成長を続けており、消費者は外食でなく、自宅でゆっくり食べれる「出前」にシフトしているデータもあります。
そこで、規模に関係なく、Uber Eatsに掲載するメリットを飲食店の経営者向けに紹介してみましょう。
目次
Uber Eats (ウーバーイーツ) とは
Uber EatsはアメリカのUber Technologies Inc(ウーバー・テクノロジーズ)が運営している、フードデリバリーに特化したサービス名称です。 2019年8月時点でUberの時価総額は6.8兆円ほど、日本のファーストリテイリング、KDDIに並ぶ巨大企業です。
街中で自転車でバッグを背負った配達パートナーをよく見かけますね。あれはレストランから料理を預かり、注文者へ配達している様子です。
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全体のしくみを図解で説明すると
注文者がUber Eatsアプリから料理を注文すると、レストランへオーダーが入り、近くの配達パートナーがお届けするイメージです。
今回は掲載レストラン側フォーカスして「外食が出前になりつつある現実」と「軽減税率で有利になる点」に注目してみたいと思います。
Uber Eats (ウーバーイーツ)全体の仕組みをもっと詳しく知りたい方はコチラもあります。
出前ってこんなに大変
スマホが普及したいま、店舗にいかずAmazonのようなオンラインショップで購入する流れになりつつありますね。
飲食も同様に、デートや旅行など特別な日でない、普段の外食をオンライン出前で済ませるユーザーが増えています。
そこで、飲食店もトレンドにのって宅配事業を考えるものの、なかかな踏み出せないリスクがあるのではないでしょうか。
自前サイトとチラシ配り
地域のそば屋さん、宅配弁当などをメインにするお店が注文を増やす場合、ひたすら宣伝チラシを配り、興味のある人からネットか電話で注文してもらう仕組みが必要ですよね。
ユーザー層によっても、注文方法がバラバラで、高齢者はスマホを扱えないので、電話が多くなり、逆に若者は電話よりもネットで注文する傾向にあります。
そのため、電話注文できるメニュー入りのチラシと、スマホから注文できるサイトを用意するなど多大なコストがかかるので、小さな店舗には大きな負担となるようです。
料理人、接客以外に、デリバリーバイトスタッフが必要
小さなカフェやラーメン店などは店主1人で接客、料理をすることが多く、宅配でお店を空けるわけにはいきません。
そのため、出前対応するには、新しくバイトスタッフを雇用する必要があるのですね。安定して出前注文が入るかわからないため、アルバイトを1人雇うリスクもかなり大きいと思います。
テイクアウト用の容器が必要
テイクアウトに対応しているお店には持ち帰りようの容器がありますが、駅前や通りに面したラーメン屋やスープ系のお店は持ち帰りを想定しておらず、メンが伸びづらい調理方法を研究したり、ちょうどよいサイズの容器を探したり、容器のコストも余分にかかります。
出前サイトに掲載する苦労
もちろん、自分たちで配達しなくても、出前館や楽天デリバリーなどの有名な出前サービスに掲載することも可能です。
しかし、メニューの写真をとり、タイトル付けなどやることが割りと面倒で、1人で経営しているレストランの場合、そんなヒマはないという理由で出前サイトへの掲載を見送ることも多いとか。
Uber Eatsと他の出前サービスの違い
国内でインターネットが普及した2000年ごろに 出前館、楽天デリバリー等のオンライン出前サービスがポツポツと立ち上がりました。
一方、Uber Eatsは後発サービスとして、2016年9月にスタートして、たった3年のあいだに全国10,000店舗の掲載数までに急成長し、注文数もトップになる勢いです。
既存のサービスと何が違うのでしょうか。
最低注文金額がない
Uber Eatsには最低注文金額がありません。注文者には格安な配達手数料がかかるだけで、ハンバーガーやポテト1つから注文できる気軽さがヒットした要因ではないでしょうか。
体の不自由な老人や、一人暮らしで遅くに帰宅する会社員にとって、牛丼1つ、ハンバーガーセットだけ(¥1,000円以内)で注文できるため、お酒のつまみなど少量を注文したいユーザーから多く支持されていますね。
到着時間が早い
ネット出前サービス最大手の「出前館」と比較すると、 Uber Eatsのほうが注文から到着までの時間が20, 30分早いという口コミがありました。
ほとんどのユーザーは、お腹がすいてから注文するため、待ち時間が短いサービスを選びたくなる気持ちを理解できますね。
現在地を追跡できる
飲食店経験者ならわかると思いますが、注文して「まだかなぁ」「いつくるかなぁ」とイライラしだすお客様がちらほら。
稀に待ちきれず、遅すぎる!と激怒して途中で帰る人もいますね。
そこで、Uber Eatsが取り入れたのが、リアルタイム料理追跡機能です。
配達パートナーがレストランに向かうときからユーザー宅へ届けるまで位置をアプリから見られるので、ユーザーのイライラ解消に役立っているようです。
Uber Eats (ウーバーイーツ) に掲載するメリット
受注システムと端末を借りるだけ
全体のしくみで少し触れましたが、Uber Eats専用アプリから注文したオーダーがレストランの端末へ届きます。
それを見て、キッチンや料理人の方々がテイクアウト用に作ります。
配達パートナーへの依頼はUberのシステムが自動的におこない、配達パートナーが店舗まで取りにきます。
配達パートナーが取りに来たら、店舗でオーダー番号を確認して、引き渡しするだけのシンプルな仕組みです。
ネット店舗で売上増加
飲食店の規模拡大といえば、店舗数を増やすか、面積を拡大する方法が一般的でした。
しかし、トレンドなど移り変わりの激しい飲食業界で、賃料や給料などのコストを増やすのは大変危険です。できることなら、1人で高利益の商品をたくさん販売するほうが嬉しいはずです。
そこでUber Eatsに掲載することで、インターネット上に仮想店舗をもてるので、低リスクで利益率を増やせるメリットもありますね。
広告宣伝として利用する
Uber Eatsは広告戦略として初回注文ユーザー向けに割引クーポンを発行しております。そこで店舗でクーポンを配り、Uber負担として、お客様に実質0円で注文してもらう方法もあります。そこからリピーターになってもらえる可能性も十分ありえます。
許可書さえあれば掲載できる
都心の一等地や、学生や若者が集まるところが人気店になる条件だったりしますが、 わざわざ店舗をもたず、ネット出前オンリーでお店を運営することも可能です。
ユーザーはわざわざ店舗へいくよりも、ネットで注文するほうが簡単ですので、どこからでも注文できる利点もあります。
ピークタイム以外に利用できる
ネット出前への掲載は、ランチとディナー以外の時間帯に活用できるのがポイントです。
中には、夜10時以降に店舗を閉めて、宅配注文に特化して厨房を利用するレストランもあるくらい。
Uber Eatsのユーザーは注文可能時間(東京は深夜1時)まで食べたい料理を探しているので、他の店舗がオフラインになった後がチャンスだったりします。
経済が後押しする宅配市場
休日になったら家族全員でレストランへ行くことが減った一方で、持ち帰りのテイクアウト市場が伸び盛りですね。
さらに、2019年10月に始まる消費税増税(10%)に伴う軽減税率(8%据え置き)により、テイクアウト需要が増えると思われます。
念のため、軽減税率とは、低所得者への考慮として飲食物の消費税は従来の8%にしようという決まりごとです。ややこしいのが、レストラン内で食べると消費税10%かかり、持ち帰ると8%になるのです。
Uber Eats (ウーバーイーツ) が儲かる仕組み
ユーザーが掲載レストランから注文して、料理を届けた配達パートナーが報酬をもらう仕組み上、Uber Eatsの収入源はどのようになっているのでしょう。
売上から35%手数料を支払う
レストラン側へ月々の掲載料はありませんが、ユーザーから注文があった場合、その注文金額から35%の手数料を支払う必要があります。
例えば、5,000円の注文があったとしましょう。5,000円 × 0.35%の1,750円が手数料として差し引かれます。
AIシステムの発展により株価があがる
Uber Eatsを運営する米Uberは、AIで自主制御する自動運転技術の先端をいく企業として有名ですね。
自動運転技術は2030年~2040年ごろには普及するといわれており、それまでの繋ぎとして、配達パートナーが配達を担っているのでしょうか。
しかし料理を運ぶ配達パートナーが使うアプリは既にAIがコントロールしており、デリバリー取引が増えれば増えるほど、AIシステムの学習能力と精度が高まるわけで、米Uber社としては、大量データを処理した実績により資金調達を行い、配達の完全自動化を成し遂げれば、配達人件費がゼロになり、もっと企業価値が高まりますね。
「飲食店はバイトスタッフを雇用せず宅配できる仕組み」まとめ
核家族化、少子高齢化が進み、外食離れが起きているいま、宅配市場が伸びていることを説明しました。
Uber EatsというAIで配達をマッチングする仕組みにより、ユーザーは少ない待ち時間で1品から注文できるUberに釘付けのようです。
配達パートナーという仕組みのおかげで、レストランは配達業務を外部に委託でき、バーチャル店舗からの売上を増やすことに成功しています。
さらに日本では軽減税率という減税の仕組みにより、テイクアウト市場を盛り上げることが予測されております。
消費者の流行や移動スタイルが激変するいま、 レストラン側は、ネットとリアル店舗がニーズに合わせて柔軟に変化できる店舗運営のあり方を考える必要があるのかもしれません。
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